真夜中はエンド(リプレイズ)/ホロウ・シカエルボク
 






最後の雪のように
ねじまき時計の稼働音が降り積もる夜中
俺の右目は殴り書きのように
充血して僅かに傷んだ
水面下の憤怒を何度滅ぼそうとしても
胃袋がこむら返るばかりで
手のひらで押さえつけて
無様な今日が終わるのをただ待っていた
音楽を止めたらそこには何も無かった
音楽を止めたらそこには何も無かったので、俺は腐った眼球を掻いた
瞬きをすると睫毛が
まぶたの裏側に潜り込んで
果てしなく涙が流れた、制御出来ないものが
そんなふうに流れつづけるのだ
目薬をさしたら酒のように染みた
今夜訪れたどんなものにも
俺は言い訳
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