ガラスの壁越しの愛/こめ
昨夜みた夜空を游ぐ三日月をみた
君は今硝子の壁ごしから何かを伝えたくて
吐息を吐いて窓に何かをかきだした
そのもじは反転していて読めなくて
君は今にも泣きだしそうな顔で
うつ向いてしまったよ
聞こえないよ君の体内音
一緒にいたから動いた心臓の鼓動
一緒にいたから繋げた手
そのどれもが薄い透明な板によって
遮断されてしまっよ
お互いに触れ合ってから分かる本当の自分
今直ぐこの壁をこわしたいけど壊せない
いくら強く叩いたって蹴ってみたってびくともしない壁
重なるテノヒラは冷たい壁を通りこさない
僕らはまだ絶望のまま
今も合えないおりひめとひこぼしの如く
今日も硝子の壁ごしに愛をとおそうとしていた
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