出口も入口もないところにいる/木屋 亞万
更けてまた
あなたに私が愛を告げなかったのは、
私が詩の世界に閉じこもっていたからです
ここでないどこか、詩の世界にいるあなたと、目を開けばいるあなたが
争いあうのが嫌だったのです
だけど、どうにも心残りで
後悔していることを公開するほど
それでも殻から出ない癖に、愛を請うのです
世界を爆破しよう
目を閉じて、あなたとの接吻を夢見よう
それはもう一生、夢のままです
私はもう詩んでいるのですから
そんな詩ばかりを生み出して
これ以上の進歩は見込めそうにありません
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