何も残せないと分かっていたとしても/kauzak
 
何も残せないと分かっていたとしても
踏み出すべき一歩はあるはずと
遠い雲に問いかけてみる

僕が目指すべき地はまだあるのか
戸惑いながら歩いていく

朝に夕に
呼び掛ける人の声の暖かさ
その暖かさを抱きしめようと
月明かりの下をも歩いていく

滲む月に投影したのは僕の
孤独とは言えないただの弱さ
その弱さこそが煮詰まった僕を救う気がして
受け入れてみる溺れないように

泳ぎ続ける凪の海を
心地よい浮力を感じながら




 ※「連なるだけの言葉」シリーズ
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