じょうろから /かなりや
 
わたしはじょうろを持っていて
いつでも草花たちに水をあげることができる
わたしのじょうろはラッキー池田とおそろいらしく
その赤のプラスティックをさらしては
ひとびとの失笑をかうのさ
クリスマス直前に買ったはずのポインセチアもまだ成長中
そういえばあの日 
あの天皇誕生日の日
わたしクリスマスローズを買おうと思ってたんだっけ
でもコーヒー牛乳色の鉢に植わった小さなポインセチアと目があって
そうそうそんなかんじだった
それで買ってしまったんだった
ああ思い出した
でもべつに思い出さなくたってよかったのにね
どうでもいいことだから
どうでもいいように扱えばよかったね
後悔が先に立ってくれればいいって
そんなのだめかな

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