ガラスの川/石川和広
 
くもりぞら
ぴいららら それゆくな
ゆくな ゆくな あっちへゆくな

ガラスの川で鳥たちが
あらんかぎりに ついばんで
ぴいぴきぴ
君の鏡をわりました
瞳のガラスに風吹いて
川はガタガタ流れてく

もおおういいよなあああ
時間があるっていいよなああ
俺なんて何にもないよ
まず恋人がなく
酒がなく
酒を代謝する酵素すら少なく
おれのばあさんは
もう時間がない
時間がなくてもいい
いつお迎えが来たっていいんだっていうう

そんな都合よくお迎えなんてこない
そういってやりたいが
いったってそんなことばあさんははは
聞きたいわけではないのさ

ゆくなっ
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