四月十九日 快晴/塔野夏子
 
心が嗤っている
春の青い空の下
千切れ飛びながら嗤っている
蒲公英の綿毛の飛ぶ空間を
瑕つけながら嗤っている
燕の飛び交う空間を
罅入れながら嗤っている

  ああ 眩暈がする
  白の黄色の 紫の眩暈がする
  道化師のお手玉のような眩暈がする

心が嗤っている
春の青い空の下
千切れ飛びながら嗤っている
白い陽のわたる空間を
鉤裂きながら嗤っている
緑やさしい丘の上で
ひたすらに自らを嗤いのめしている




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