季節/
青色銀河団
母さん
ぼくの血は
あの鳩の眼よりも
薄い色なのですか
すでに色褪せてしまった繃帯が
風になびくのです
母さん
ぼくはまだ
あのデパートの屋上で
迷子のままなのですか
いまでもぼくは細い傷口を
生きている気がするのです
母さん
ぼくは朝日を浴びて
このまま静かに
錆びていくのですか
季節が
美しい指先で
何度もぼくに
署名をしていくのです
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