包まれて/見崎 光
 

四季を彩るは
地と
そこに根付く木々や草花
呼吸を彩るは
空と
そこにたゆたう陽や月


鼓動の中に記憶は流れ
五感の中に今が記される
起こり続いていくだろう全ての事柄に
無意味は存在しないと言うが
それらもまた
彩りが司る必然にすぎないのだと
魂が叫ぶ


彩りに生かされ
彩りを彩る
命とは
天地の絵の具
これ以上
無用に朱が零れぬよう
1日の終わりに
自らを紅で纏ったのだろう



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