リズムダンスの後で/殿岡秀秋
あるいは
鼻の上の額に皺をよせるのか
きみの表情が変わる瞬間を
ぼくは恐れている
練習の後の
算数の授業中も
きみの顔が凍りついたら
どうしようかと考えていた
予行練習しようにも
ぼくにできることは何もなかった
手と手をつないで
見つめあうときに
決まってきみが
笑顔を見せるから
ぼくも引きつった笑いを
無理に口元に浮かべる
いっそ消えてしまいたい
きみは運動会の日も笑顔のままだ
ぼくは想像の中で
きみの暗い顔を
繰り返し見ていて
そのたびにからだが震えていたので
音楽が終わったとたんに
うずくまってしまった
秋の空高く苦い雲が流れていく
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