地動説の証明論文/コーリャ
砕けた星が
スウィング・バイしていく
いまにも
純潔は窒息しそうで
そのうえ
日記は白紙で
小説も空白で
そのことにきづけなかったひとびとは
拡散するすんぜんだった
天体の機械構造は
かろやかに電文をうち
サバンナには雨がふった
その雨は
鳥の言語を
ただ追体験したかっただけなのだ
そのひらいた両腕のかわりに
翼があったなら
どれだけよかったろう
鳥だけにしか
抱擁できないものを
ひとびとは
一番星と呼んだ
てくびが痛くなるくらい
夜を加速したから
ぼくという生物は
回転する
あの電燈のひとつのゆめみたいなもんだ
きらや
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