山繭/
フクスケ
その薄緑の
繭は
風に揺れた
四回の脱皮の度に
記憶は
まばゆい光の
緑の揺籃の中で
眠っている
いつまでも
見つからなければ
いいのに
人の来ない
山の奥で
ずっと
緑の揺籃の
夢の果て
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