春の湿度/ブライアン
 
久々に雨が降った翌日、
目が覚めると、南向きの窓から光が差していた。
昨日の天気予報では、今日も雨が降るんじゃなかっただろうか、と
思いながら窓の外をぼんやりと見ていた。
窓の外は、いつもより濃い色をしているようだった。
雨が降るはずだった分の、湿気のせいなのだろう、と
根拠のない事を思いながら、リヴィングに顔を向けた。

リヴィングには、仕事へ向かう準備をしている犬がいた。
慌しそうだった。
眠りから覚めない体で、リビングへ向かおうとする。
犬を仕事へ送り出してやるためだ。けど、眠気には勝てない。
玄関の扉を開いて、外に出て行く犬の姿を、リビングの床に横になって見つめてい
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