子供のくすり/ユウヒナ
 

昨日もらったキャンディを
茶色の小瓶に入れたって
甘い薬にはならないと

喉を鳴らせてむくれてる
僕のかわいい女の子

このあいだの満月に
こじ開けられた地下室の
鍵は窓から放り投げて

犬がくわえて歩いてく
でっかい足音で

瞬き一つで閉じた物語
平らな背中がそこにあって
親指の爪を噛み切っていた

耳をふさいでしまうまで
止めないつもり

唇を寄せても
振り解かれないつもり

ハッピーエンドを作るから
話の続きを教えてよ
なんてさ

外に住んでるオオカミに
イチゴシロップをあげてみよう
今晩飲んだ甘いやつを

君はきっと恥ずかしがって
僕の胸に飛び込むんだ

 

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