瓶詰めの森/本木はじめ
罪の森きみの手を取り「逃げよう」と言った途端に僕も罪人
森のなか追いかけごっこふたりして迷い込んだねもうひとつの森
瓶詰めの蝶を埋めます木の根元「飛び立つものはすべて埋めます」
聴きながらいちまいいちまい拾いゆく散りばめられた花びらの音
ハサミで切るあなたの髪がバサバサと落ちるそばから飛び立ってゆく
つめたいねこを埋める夜かたわらで蟻を葬る果てしなき君
廃線路の上で運転してるふりの君の隣に座っています
きらめいて沈んでゆくの湖の底で逢い引き浮かびあがるまで
パチパチと手を叩いたら燃え上がる焚き火はさんであたたまるよる
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