サタン ?憤怒?/セルフレーム
そして何より、
天の最大の敵だ」
私はまた尋ねた。
「君はいつもそのような怒りを纏っているのか?」
彼はまた言った。
「そうだ。
怒りを纏うこの身体は誰も触れられず、
怒りを纏うこの心臓は誰にも止められることは無い」
現実世界私はペンを持つ。
脳内失楽園の私は彼の前から立ち去ろうとする。
彼は最後、私に言った。
「天は我等を見下し、
我等は天を睨んだ。
天は善意の光を纏い、
我等は悪意の怒りを纏った。
私だけではない。
ここに在る全ての“生ける屍”は、
光を浴び、生きとし生きる全てのものに
怒りを放ち続けている。
我等を殺したのは誰だ?
我等の心臓に杭を打ったのは誰だ?
驕り高ぶる地獄の王も、
嫉妬渦巻く海の長も、
決して光を許そうとはしない」
現実世界の私はペンを走らせる。
あぁ、そろそろこれも完成だろうか。
失楽園―
この叙事詩にはそう名付けようと思っている。
戻る 編 削 Point(0)