サタン ?憤怒?/セルフレーム
脳内のエデンの園を越えていった先に
失楽園はあった。
気を狂わすような黒雲
首を絞めるような灰風
そして
大きく
黒く
怒りを纏った
彼
―サタン―
反逆者であり
敵対者である
彼は
動けなくなるほど
誇りと
威厳に包まれ
嘘と
悪に塗れ
片腕に賢者を携え
猛将たちの指揮を取り
絶美と悪徳を背負った誇り高き者を跪かせ
ただ
それでいて
何故か美しい
独り
孤高の“王”だった―
私は彼に尋ねた。
「君が悪なのか?」
彼は私に言った。
「私が悪だ。
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