砂漠の中の砂時計/花びらと風庫/海里
 
公園にも、土手にも
ビル風の狭間にも
桜ばさみ、桜走り、さくらりって

花びらたちあんなにも舞うので
風が隠れていられません

くるくるとつむじ風
縦に
真横に
春は風の宝庫

いつも身を任せてはいるけれど
決して自分を持って行かせないヤナギ

高く高く高く
ガリレオのふりこの法則のように
揺れているメタセコイア

けれど桜は旋律の中の
一つ一つの音符のように風に乗る

風の軌跡をたんたんと
たんたんといくらでもその軌跡を
見せてくれる

海の中の生き物と海水のように親しく
わたしたち
全身あますところなく
風に取り巻かれて暮らしているんだね
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