人が自由を奪われるってのはね、生きていても生きている感じがしないとかそういう体験の恐怖なんだと思う。/石川和広
 
しんでいるから、そういうエネルギーを養分として育つ。人間が絶望をもつのを禁じているのではない。絶望があるってことはそれを引き起こす心の、社会の現実があるからだ。つまりいいたいのは、例えば性差を起点として、あるいは同じ性の中で差別があるとしたら、それはそのように強いている現実の力があり、それを私たちはせっせと再生産していて悲しみを増やしている。でも、もしそれだけなら人間は生きられるのかってこと。そういう現実をかいくぐりながら生きていこうとする人間の力、あるいはそれとちがう次元で生きて働く人間の知恵があり、それが救いなんじゃないだろうか。
そして俺は小声で言うけど、もし差別とかそういうものをちがうっ
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