セルフ・マスキュリズムについての覚書/山田せばすちゃん
ことではあるのかもしれないけれど、その「商品」としての美点であるそれぞれの属性、つまりは「目がきれい」だとか、「天然ボケ」だとか「足」がきれいだとか言うのは、実は彼女たちが己が身に備えていると信じている、「女」として好ましいとされる属性で、その虚構性をいちいちこの詩の語り手はさも得意げに突っ込んで見せているわけだ。でも実はこの「チャームポイント」の持つ虚構性は、「モデルちゃん」たちが自らそう思い込んでいる、あるいは自らを商品にしてしまうことでそう言わされている、というだけの問題ではなく、それらの属性が「女」にふさわしいとされている事自体にあるのだけれど、狂言回したる語り手の彼女がその点にまで思いが
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