ネコウチク/ねなぎ
 


気になって
学校の行き帰りに
眺めながら
歩いた

僕の埋め方が
悪かったのか
雨の日に
猫は顔を出した

リンや窒素の固定
合わさり
再構築し
組み立てられるように
分解と確定
繰り返すように
収束と発散は
回っている
どの視点で
観測するかにより
流れの周期は
異なるとしても

猫の耳の中も
尖っているのかと
思ったが
横で友達が
変な声を
上げているので
口には出さなかった

だらだらと流れ出した
中身
うるさい車の音も
避けて行く

ススキの穂が
飛び撒かれるように
かさかさとして
服に付く

微小と有限の間に
関係性が確率で
あるとするならば
それを別つものの
揺らぎと
歪みにあるのは
唯の現象でしかない

見開かれた右目
拉げた左目
口元が開かれ
べっとりと付いていた
手がぬるぬるとしたが
滑らないように
首根を掴み
道路から引き剥がすと
何かが散った

拾った猫を
土の中に埋めた
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