蝋人形の抜糸/カンチェルスキス
誰もいない土手に座って 動かないブルドーザーを見てる
雨が降ったのはもう何日も前 消えない水たまりを
車輪のついた風が駆け抜ける
人がいないのはこの一瞬だけ まばたきをすれば
夕日が戻ってきて 尻尾を振る犬が遠くに見える
頑丈な鉄橋は スピードを支える
深く吸い込んで息を吐いたのは おれなのか
強いて急いだのは 結末なのか
きみは涙のない日々を送る
折れ曲がった釘と 地面に残したおれの足
闇雲に発達した土踏まず
化石のように つぎ行く場所を知らない
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