月とともに/
フクスケ
月が
寄り添うように
ついて来る
月のある夜空を
見ていると
ずっと昔の
大学からの
帰り道
詩人の恩師と
よく坂を下りながら
月を見上げて
あれは上弦の月
下弦の月
と 言葉を交わす
その時の
柔らかな
月明かりの
感触が
詩人の
ふと もらした言葉を
掌によみがえらせる
月が
寄り添うように
ついて来る
師の残した言葉を
掌に感じつつ
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