「 卒業証書 」 〜母校の教室にて〜 /服部 剛
 
人かの子供等が 
サッカーボールを蹴っている 
あの日のままの校庭と 
数え切れない子供等を 
百年以上見守ってきた樫の大樹に 
目を細め、ひと時の間佇んだ僕は 
校庭に一礼して 
門を出る 

振り返った小道には 
無数の桜の花びらが 
散りばめられ 

あの頃の教室にいた 
一人ひとりの級友が 
それぞれ笑顔を開いたような 
花びら達を背に 

懐かしい小道へ 
僕の後ろ姿は 
吸いこまれていった 







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