かがやきと指/
木立 悟
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら
傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える
あまりにも緑があつまりすぎて
緑が緑でありすぎて生まれた夜に
指はいまも染められている
かがやくままに放って置かれ
かがやくままに消えてゆこうとする
そんなたくさんの石をひろいながら
曇りまぶしい道の先へと歩いてゆく
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