かがやきと指/木立 悟
 


指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら



傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える



あまりにも緑があつまりすぎて
緑が緑でありすぎて生まれた夜に
指はいまも染められている



かがやくままに放って置かれ
かがやくままに消えてゆこうとする
そんなたくさんの石をひろいながら
曇りまぶしい道の先へと歩いてゆく






戻る   Point(5)