四季と旅した少年/こめ
える
光の中僕は君たちと一緒に羽の風にさらわれたいった
そしてそのおじいさんは笑いながら光に包まれた
世界が忘れた忘れ物は
いつしかかけがえのない物を手に入れて
ながい旅路に終わりを告げ
始まりでもあり終わりでもある草原に
死という旗を立てた
そのおじいさんは今もどこかで長く眠っている
もうあの草原はこの世には決して存在しない
だけど・・・・・
世界が忘れたあの少年という忘れ物は
きっと今も風となり
あのぬくもりをくれた四季とともに
僕らに幸せを分けているのだろう
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