四季と旅した少年/こめ
 
少年は

絶望のなかで

差し込む月の光が

僕をどこかに飛ばす

流れているのは人か風か音か時か

ただ舞い散るのは夕暮れの茜色の風

もうどこにもない世界の忘れ物

キラキラ一面の星空から落ちる星くずは

いつか燃え尽きちりになり

白い雪となって世界を覆う

たどり着いた場所は

永遠と続く草原

そして少年は

ぬくもりというものを求め

あの広い草原を旅した

春は花があふれ夏は緑が輝き

秋は赤くそまり冬は白くふたを閉じる

何度も色をかえる

何度も景色がかわる

何度も
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