四季と旅した少年/こめ
少年は
絶望のなかで
差し込む月の光が
僕をどこかに飛ばす
流れているのは人か風か音か時か
ただ舞い散るのは夕暮れの茜色の風
もうどこにもない世界の忘れ物
キラキラ一面の星空から落ちる星くずは
いつか燃え尽きちりになり
白い雪となって世界を覆う
たどり着いた場所は
永遠と続く草原
そして少年は
ぬくもりというものを求め
あの広い草原を旅した
春は花があふれ夏は緑が輝き
秋は赤くそまり冬は白くふたを閉じる
何度も色をかえる
何度も景色がかわる
何度も
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)