裏町影/石川和広
 

逃げてもいいのに
ここに足が、巻き付く植物が僕を地へと呼ぶ

どうするか
見当違いの誰かに、反吐をぶちまけて
人類の濁流に飲まれるとしても
それがいいとしても
今の私の混乱は
脳の異常でも
何か
惑星のかけら
あるいは
水滴におもえるんだ 天井の模様を見ると

外では、朝が青白く、正しく始まる
三条の宿屋のお上が
顔を腫らしながらも
近くの人に
挨拶をして

ゴミ袋をまとめている
風はいる小道




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