yosomono/nonya
 
物珍しかったのだろう

誰かが罵ってくれた
誰かが嘲ってくれた
誰かが哀れんでくれた
誰かが抱いてくれた

いつも最後はお決まりの袋小路に
行き当たってしまうのは笑える

別にそれでいいじゃないか?
いったいそれ以上何を望む?
次の朝までには十中八九
みんなの笑顔は壁になっている
相容れない国境になっている
どこかの壁が崩壊したなんて
いったい誰のつまらないジョーク?

たとえ前後不覚に陥っても
闇の中にこっそり開けておいた
有刺鉄線の切れ目は探し出せる
とりあえず帰ろうとする姿勢のまま
yosomonoは生き永らえている

非武装地帯の夕焼けは紫色
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