そらのかえるばしょ/コーリャ
 
tyのペールブルー
酸素がたらないペールブルー
町で銀色のオープンカーが空転し
風見鶏や風車
どころか
案山子 
まで回転して
みずからを気化し
街人たちを匿名にした
みんながみんな違反者だったから
名前や身体をうしなって
シルエットが交錯し跳躍する
電燈のなかで
街は
音のないサーカスだった


南半球の表面張力をためす
ギャンブルのために
夕日はおちていく
いみもなく
にぎった
砂は
どうしても
零落していって
ならばいっそ
水平線に
そうっと
こぼす
すると
燃える海が
越境して
空ににじみでていく

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