水の声/
小川 葉
雨音の中に声が聞こえる
川のせせらぎの中にも声が聞こえる
やがてそれらは
おまえの声になって
わたしの隣に立っている
雨が止んだら歩いてゆこう
おまえは声を発しない
わたしの声も
川のせせらぎの中に消えてゆく
声が聞こえる
水の音がするその向こうで
わたしの声を聞いている
おまえもそこにいるのかもしれない
また雨が降っている
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