ポアレは腕で振れ/
吉岡孝次
薄ぼけた郷里における仰臥にあって
ロックンロールの焦燥を体躯に引き受けていた少年 は
押し花のように
忘れられた、ってわけでもないのだが
ファミレスでの勉励は
もう転がり込む先をなくした出戻りをコックへと
ひろげてゆき
どの客も舌先で錆の色合いを嗅ぎ分けては悦に入る新世紀初頭
僕だけがウキウキと誰も知らない生き方の柄をつかんでいる
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