恋愛未満/きりえしふみ
赤いルージュで 待ったをかけた
絶望 弱音 告白 悲哀
喉元を通り過ぎそうになった頃
造花にしてみた 揚羽蝶をピンで止めてみたんだ あたし
だって生物のままじゃ 凡そ存在し続けることなど出来ない
そんな時間ばかり 思いばかりが忙しそうに乱反射
行き過ぎてしまうから
『綺麗な素肌を美女は作り込むのに躍起になる』
のと 同じ渇望で
ねえ
『ア・イ・シ・テ・ル』
だなんて 君の前闊歩して行きたがる
凡そ理性的だなんて言い難い 玉響(たまゆら)の時間
移ろい易い そんな想いは
いっそ 壁飾りにでも換えてしまった方がいい
ギラギラ輝く スパン
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