サクラ銀河/唐草フウ
夜が終わる前に
銀河がサイクロンになって
いらない文字を吸いとりに来る
(サクラ、サクラ、琴のおと)
貼りついてしまったものを
ひとつひとつ
はがしてみれば
どれも忘れがたいもの
けれどもあまりに響きすぎると
星さえ流れが詰まってしまうから
夢になって忘れるために
声にならない文字たちを
クリーンアップする
サクラの花びらがきみの
首飾を作れるように
列車の汽笛が
つれ去っていくとしても
目が覚めたら
サクラ ひとり
ことばは銀河の果てへ
だから今日も晴れる
(はらはららと 春が泣く)
少し緊張した澄みきる朝
道に新しい靴たちのおはよう
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