永遠に帰するポエジー 〜蛾兆ボルカ「はちみつぶた」について〜/白井明大
 
この詩の内奥のすがたが永遠である、と読みました。

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(とまず書いたのですが、「進行する時間の流れの外に、詩の流れが抜け出る効果が」なぜ「生まれている」のかについて、説明不足と思われ、以下に追補が続きます)

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「はちみつぶた」を現出させる最終連の展開は、さほどめずらしい飛躍ではないのかもしれない。ではこの連のイメージの美しさは何なのか。それを支えるのは、第二連から第六連ではないかと考えた。

第二連から第七連までを引用する。

 《はちみつぶたがたべたいです》
 と、息子は答える。
 《豚肉を煮て蜂蜜を、トリーリ、
 ト
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