海想癖/山中 烏流
黄色のひかりがぶれる部屋で、
わたしは
左足で眠るかさぶたからゆくらゆくら
透明?
に、なりつつ
もう、なくなった筈の
/もしくは、見えないだけかもしれない
水掻きに脈を聞く。
心臓はどこかで忘れてきているから、
わたしは嘘つきになる。
*
びちびちびちびちびちびち
部屋のそこかしこで
水槽に入り忘れた様々が
跳躍をしている
お気に入り/かもしれなかった漫画から
感動的なシーンばかりが
ばらばらと落ちていくのは
なんだか、
酷く愉快なことに思えた
わたしは
口をぱくぱくとさせながら
しかし、
わたしにえら
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