ひだまり/小川 葉
 
 
 
上ってきた階段は
そこで途切れていたけれど
僕らはもっと
上らなければならないので
一段ずつ階段を
作らなければならなかった

家に帰れば
君も一段作り終えてる
翌朝には
一段ずつ失ってる
日々の繰り返しなのに

僕らが生きてるということ
生きていかなければならない
ということ

誰も言葉にはしないけど
階段の踊り場には
ひだまりがきっとある

上ってきた階段が
そこで途切れてるとしても
僕らはやさしくなれた
やさしくなれたはずだ
 
 
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