詩なんか、うたえない。/終
忘れなくちゃいけないんだ。
何度も何度もそう思い込んだら
そうなるようになるから、
苦しくても何しても
とにもかくにも思えばいい。
忘れる。
思わなければ、ずっと。
思っていたって、いつでも。
忘れたくない気持ちでいっぱいなんだ。
だから、君を一つづつ消していって
繋がっているところから削っていって
君を忘れるように
していくんだ。
君と思い出のない道を毎日歩いている。
今は、重なり合うことのない
君の住んでいた町。
また、いつか会えたらって
何度も何度も思い描く家路。
君を想う。
会いたくて、会いたくて、会いたくて。
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