「はじめて」/パール子供
 
はじめてがいなくなってこまってます
なにしろそんなことは
はじめてで

自転車がなくなったら
あの公園がきゅうに遠く感じてさみしくなったみたいに

もしも神様がいなかったらどうしよう
って思ったときのように不安で



母親が再婚をするそうです
父親が腕にイレズミをいれました

空がオレンジ色とムラサキ色によごされて
夕方になるように

そういうことは仕方のないことで

ただ、そんなことよりも
はじめてがみつからないんです


さがせばさがすほど
はじめてはぼくからどんどんどんどん
みつからなくなっていくきがするんです

はじめてがみつからないんです 日々のくらしとともに
戻る   Point(10)