日々それは回帰する/
 
寝ぐらのないカラダ
雨の日には律義に痛むヒザ
震える月が青白く照らすプロムナード

血液の中に忍び込んだ美しき女
刺青の花は枯れることを知らず
消えることもない

生きていけるのか
道はこの先もちゃんとあるのか
シャツの中に住む無口な鳥と
劣情に漂う双子の妹
”そこから飛べば夜は晴れるわ”
カシスの香りは後付け
一時の誘惑を否定しなければ
でも無いよ
きっと無い

カンパネルラのやさしさに
孤独こそ自由だと
始発まで今日を忘れる自由
気が触れたふりをする自由
様々な自由が約束されているはずだと
ほんの数グラムの魂と引き換えに
また闇に嵌まる
他人の帽子に溢れる水
すくいようも無く飲み干す

喉を通り過ぎる例えようのない悲しみ
細胞は集団自殺
焼ける喉元に映える銀の十字架
信じないものはいらない
信じるのももう沢山

明け始めた空に訪れる
麻酔の眠り
痛みを伴う無音

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