夜歩く死体と色眼鏡(そしてやがて来るクライマックス)/ホロウ・シカエルボク
 

自分に王冠なんかかぶせない
王国の概念はすべてを壊死させてしまうものだ、紫色の肉体じゃ
歩くたびに組織をどっかに無くしてしまう
いつでも入れ替え出来るイズムを所持しなよ
遠近両用眼鏡と同じ位、真理はこの世に溢れているぜ
お前の視力がどんぐらいかで
もう数えられないくらいに
どんなフレームを選ぶかってとこでも
それはもう数えきれないぐらいに
闇雲に追っかけたって手に入るもんじゃない、自由なプロセスを構築することが一番大事なんだ
自分に痛快な色眼鏡かけて、うんざりするような台詞を吐いたりしちゃいないかい
誤解すんなよ、心配してるんだぜ
誤解すんなよ、なんとかしてやりたいと思っているんだ、安っぽい台本に乗って浮かれている大根に
ほんとのドラマは静かに
クライマックスを迎えたがるものなんだってことを
夜明けのように静かに
鍾乳洞の様に複雑に
判るかい
判りあえない隙間に舌を這わすのはもう止めて
これからは、ひとつずつなにかを選んでみようぜ
ひとつずつ、手のひらにとって…形状は言葉だ




それだけで
真理の数は増える



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