夜歩く死体と色眼鏡(そしてやがて来るクライマックス)/ホロウ・シカエルボク
甘ったるい香りが行き惑う
薄暗い通りで路上にしがみついて
行き合わせた奴らに悪態を吐いていたんだろう
すれ違うだけの相手なら溜め込むようなことはないから
少なくとも、仕掛けた方の胸の内には
後ろ足で逃げながら神にも負けない口調の数々さ
誰にも勝てないくせに負けることがない
毒団子で死んだ鼠の死体を腸が出るまで踏みつけること
お前の狂気や勇気なんて所詮その程度のものさ、お前の中じゃきっと極上なんだろう
まるでコンピューター・ゲームの
ゾンビみたいな無難で陳腐な逸脱さ、臭い息を吐いてみろ
絵空事じゃそいつは不可能に近いだろう
百ワットの光だけしか明るく感じられないよ
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