あなたがもえる/長押 新
土手にのびる枯れ草を
焼いている
斜めにあがった太陽が
息をしている
薄い黄金色して
狐の尾のように揺れる
ちぎれちぎれに草が
もえている
風がやむ
眠りにつくよう
しいたげられて
春はいよいよ
近づきはじめた
あそこの山の
山のあなたが
もえている
昼間にはもっと
背のたかい木々さえ
焼いている
太陽がお天道様に
かわっていく
弱った茎に
虫がとまっている
その睫毛に似た細い足が
私の心臓までをも
捉えている
枯れた草に
私の足音が染み込む
もえている
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