明日/恭二
 
塞いだ。

窓を閉め切った。
勝手口も、玄関も、全て塞いだ。

もはや、自分の呼吸しか聞こえない。
誰も訪れない、自分だけの世界。

安楽の母の子宮の中のような気配。


盛りのついた猫は死ね。
明日を期待する全ては死ね。
何もかも無くなればいい。


明日、何もない世界に、僕が産まれても、
きっと何も変わらない日常。また。
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