アンチマテリアル・ブロードキャスター/ゼロスケ
次の日
白昼の空から宇宙船が
市街地へ落っこちた
誰が住んでいたのかさえ
わからないけれど
暗い林を巻き込んで
都市は爆発炎上
まるで最初から
存在していなかったかのように
みんな消える いってしまう
すると何もかもが
茶色い海が溜まる深いところへ
還っていくんだと思う
》
これは矛盾した現実
ほんとうにあった実話
捨て鉢な歌にして
同時代的に
開け放たれた窓から
放送したいと考えている
ことを僕は感じていた
暗い林へ
燃え盛る街へ
ふくらみきった寝床へと。
戻る 編 削 Point(2)