11年前/ヤオハチ
高校生だったころ。
なんでそう思ったかは分からないけれど、
適度な苦痛と適度な快楽、適度な努力感と適度な達成感を与えられて
しまったらとおびえていた。
世界に騙まされて、本当のことには気付けないかもしれないから、
あたしは救いようのないバカで心底よかったのだと思ったのだ。
いつも一緒に居た子達は、一人は肉体がなくなって魂だけで
生きれたらいいのにって言ってて、一人はいくら食べても太らない
体を欲しがっていた。
私は、この子達の願いが叶ったらいいのにって思っていた。
ちょっとだけ、手に負えなかったのだろう。
だから、自分の血は冷たいのだと思っていた。
神様の罰をとても
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