君が美しい/智鶴
君は僕を愛する度に
僕を殺そうとする人だった
暖かな嘘と欲に塗れて
そうなってもいいと思った
でも
いくら僕が望んでも
君は結局僕を殺してくれなかった
君と愛し合ってから
ちょうど90日が経ったある日
君は夢のように
綺麗に消えてしまった
隣には君の体温さえ残っていなくて
虚無
耳元を通り過ぎる風が
頬を優しく伝う雨が
鼻を擽る美しい香りが
全ての狂気が
あの日の君に似ている
君の錯覚を見せつけて
苦しませ続ける
手に入らない
二度と届かない
そんな遠すぎる場所から
君が笑う
美しい
「あなたは
わたしにさわれないわ。
だって、
あなたはみにくすぎるもの。」
あぁ、
あぁ、
今日も君が美しい
僕にとっては残酷なほど
(きみがすきだ)
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