春暁/nonya
 

闇の東が
ほの白く潤んで
密やかな色と匂いが
滲み出す頃

花は
膨らみ過ぎる喜びに
身悶えしながら
目覚め

人は
濁った夢の浅瀬を
溺れながら
まどろむ

やがて
柔らかな輪郭で
街と朝が
描き出される頃

人は花を
オハヨウと愛でて

花は人に
サヨナラと咲くのだろう


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