さまよう夢をみた/Ohatu
 

 銃弾はいたい

 当たると血が出る
 あたしは血に逃げられる

 ネオンでも病院でも
 娼婦とあたしと銃弾は逃がされる

 ―

 小さく守る。

 子供たちとパンを分け合う。

 たくさんの紙のお金より、あたしはパンが欲しい。

 戦争より、銃弾より、あたしはパンが欲しい。

 パンは畑にも牧場にもない。

 ひとが
 お金を握りしめる手で、銃の引き金をひく手で

 その手で
 パンは作られることを知って。

 ―

 戦争だと思ったのは、あたしの恋愛でした

 あたしには、あなた以外がどうでも良くなっていました

 あたしは、銃弾でした

 あたしは、ほとんど戦争のような恋愛

 あたしは、独裁者でした

 自分だけが幸せになりたいと祈りました

 あなたがいれば

 地球の裏側でどれだけの人が死のうと

 どうでもいいと思える、いきものでした

 あたしは


戻る   Point(0)