むしろ現代のはらわたとして/大村 浩一
 
おいて恐縮だが、彼女の詩を不快に思う
女性は案外少ないのでは、と思う。むしろ女性の立場として「よくぞここまで言
ってくれた」的な詩のほうが多いのでは。
 個人的にはサイバラ式(笑)の身体を張ったユーモアさえ感じる。80年代とは
こうした女性詩が分からない男性はバカ扱いされかねない凄まじい時代だった。
 現代詩がガチで難解でつまらないとか思ってるヒトは、ぜひ一度彼女の詩を手
に取ってみて欲しい。彼女の詩は劇薬で詩に癒しを求めるヒトには全く向かない
が、私にすれば毒にも薬にもならぬ詩よりもよっぽど現代と戦っている、存在価
値のある詩だと思う。

 余談になるが、同時代にはもっと端正
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